特別支給金Q&A


Q 特別支給金とは何でしょうか?

労災(業務災害もしくは通勤災害)により傷病を負った場合に、「労災保険給付に上積み」として社会復帰促進等事業から特別支給金が支給される金銭給付のことです。特別支給金は、9種類あります。


Q 特別支給金の種類を教えて下さい。

労災により休業した場合には①休業特別支給金、②傷病特別年金、③傷病特別支給金、

労災により障害が残った場合には、④障害特別支給金、⑤障害特別年金、⑥障害特別一時金の

さらに、労災により死亡した場合には、⑦遺族特別支給金、⑧遺族特別年金、⑨遺族特別一時金

の各支払いがなされます。


Q ①休業特別支給金を教えて下さい。

休業特別支給金は、休業(補償)給付と同様に、傷病により労働することができないために賃金の支給がない場合に、不支給日の4日目から、休業給付基礎日額の100分の20に相当する額が支給されます。支給の申請は、休業(補償)給付と同時に行います。 


Q ②傷病特別年金を教えて下さい

傷病特別年金は、傷病補償年金(傷病年金) の受給権者に対して、ボーナス等の特別給与の額に基づいて支給されます。

   傷 病 等 級 

    額

第  1  級

第  2  級

 第  3  級 

1年につき算定基礎日額の313日分

1年につき算定基礎日額の277日分

1年につき算定基礎日額の245日分


Q ③傷病特別支給金を教えて下さい。

傷病特別支給金は、傷病補償年金(傷病年金) の受給権者に対して、等級に応じて下記の額が支給されます。 

   傷 病 等 級   

       額       

第  1  級

第  2  級

 第  3  級 

114万円 

107万円 

100万円 


Q ④障害特別支給金を教えて下さい。

障害特別支給金は、障害補償給付(障害給付) の受給権者に対して、等級に応じて下記の額(一時金)が支給されます。

 障害等級

額 

 障害等級

額 

第1級

342万円

第8級

65万円 

第2級

320万円

第9級

50万円 

第3級

300万円

第10級

39万円 

第4級

264万円

第11級

29万円 

第5級

225万円

第12級

20万円 

第6級

192万円

第13級

14万円 

第7級

159万円 

第14級

8万円 


Q ⑤障害特別年金と⑥障害特別一時金を教えて下さい。

⑤障害特別年金は障害(補償)年金の受給権者に対して、⑥障害特別一時金は障害(補償)一時金の受給権者に対して支給されます。  

障害等級

障害特別年金の額 

 障害等級

障害特別一時金の額 

第1級

1年につき算定基礎日額の313日分

第8級

算定基礎日額の503日分

第2級

1年につき算定基礎日額の277日分

第9級

算定基礎日額の391日分

第3級

1年につき算定基礎日額の245日分

第10級

算定基礎日額の302日分

第4級

1年につき算定基礎日額の213日分

第11級

算定基礎日額の223日分

第5級

1年につき算定基礎日額の184日分

第12級

算定基礎日額の156日分

第6級

1年につき算定基礎日額の156日分

第13級

算定基礎日額の101日分

第7級

1年につき算定基礎日額の131日分

第14級

算定基礎日額の56日分

※算定基礎日額の計算

①原則として、事故日以前1年間に事業主から受けた特別給与(3か月を超える期間ごとに支払われる賃金)の総額(算定基礎年額)を365で割って得た額

②ただし、特別給与の総額>給付基礎日額の365倍に相当する額(給付基礎年額)の20%に相当する額

算定基礎年額は給付基礎年額の20%に相当する額(150万円が限度)となります。

 

例1:特別給与総額が60万円、給付基礎日額が1万円の場合

  60万円<1万円×365×20%=73万円 

  したがって、算定基礎日額は、①特別給与の総額60万円÷365=1644円

例2:特別給与総額が100万円、給付基礎日額が1万円の場合

  100万円>1万円×365×20%=73万円

  したがって、算定基礎日額は、②給付基礎年額の20%に相当する額である73万円÷365=2000円

例3:特別給与総額が200万円、給付基礎日額が2万5千円の場合

  200万円 >2万5千円×365×20%=182万5千円

  したがって、算定基礎日額は、②給付基礎年額の20%に相当する額を基準

  しかし、182万円>150万円

  したがって、算定基礎日額は上限150万円÷365=4110円


Q ⑦遺族特別支給金を教えて下さい。

遺族特別支給金は、遺族補償給付(遺族給付)を受ける権利を有する遺族に対して支払われ、一律300万円が支給されます。


Q ⑧遺族特別年金を教えて下さい。

遺族特別年金は、遺族補償年金(遺族年金)の受給権者に対して、その申請に基づいて支払われ、その額は下記のとおりです。

 人数

額 

1人

1年につき算定基礎日額の153日分

ただし、55歳以上または一定の障害の状態にある妻は175日分 

2人

1年につき算定基礎日額の201日分

3人

1年につき算定基礎日額の223日分

4人以上

1年につき算定基礎日額の245日分


Q ⑨遺族特別一時金を教えて下さい。

遺族特別一時金は、遺族補償一時金(遺族一時金)の受給権者に対して、その申請に基づいて支払われ、その額は下記のとおりです。

要件

額 

労働者の死亡当時、遺族補償年金の受給資格

者がいないとき 

算定基礎日額の1000日分 

遺族補償年金の受給権者がすべて失権し、

支払われた年金の合計額が給付基礎日額の

1000日分に達していないとき

算定基礎日額の1000日分と左記

合計額の差額